広告ブロッカー · DNSレベル

AdGuard DNS とDNSによる広告ブロック

拡張機能を1つも入れずに、デバイス全体で広告とトラッカーを減らす無料の方法があります。スマホもアプリもまるごと、それがDNSによるブロックです。仕組み、実際にできること、苦手なこと、そして AdGuard DNS が NextDNS や Pi-hole とどう違うのかを見ていきましょう。

最終更新:2026年7月10日 · Privacy Intact チームによる調査に基づきます(DNSサービスはブラウザ用の検証ハーネスの対象外のため、本記事は調査に基づく内容です)。評価方法はこちら。

DNSブロックの仕組み

デバイスがページやアプリの画面を読み込むたびに、DNS サーバーにドメイン名(たとえば ads.example.com)をアドレスへ変換するよう問い合わせます。ブロック機能つきのDNS は、知られた広告・トラッカーのドメインに対して単に応答を返さないので、その通信は最初から接続されません。すべてのアプリがDNSを使うため、これはデバイス全体に効きます。1つのウィンドウだけでなく、ブラウザでも、ほかの多くのアプリやゲームの中でも働きます。

大きな利点は、無料で、軽いこと(バッテリーを食う常駐アプリが要りません)、そして設定1つでデバイス全体をカバーできることです。問題は、何ができないかという点にあります。

DNSブロックにできないこと

  • 同じドメインから出る広告は残ります。コンテンツと同じドメインから広告を配信するサイトでは、DNSは両者を区別できません。典型例が YouTube で、DNSではその広告を消せません。
  • 見た目の後始末はできません。DNSは広告の読み込みを止めますが、残った空きスペースを整えることはできません。uBlock Origin のようなブラウザ用ブロッカーが、その隙間を隠してくれます。
  • ドメイン単位であって、ページ単位ではありません。多くを安く一気に絡め取る大きな網だと考えてください。その上で、ブラウザやアプリのブロッカーが細かい仕上げを担います。

つまり、こう捉えるのが正確です。ブロック機能つきのDNSは優れた土台の層であって、完結した広告ブロッカーではありません。ブラウザ用やデバイス全体で効くブロッカーの代わりにではなく、その下に敷いて使ってください。

AdGuard DNS、NextDNS、Pi-hole のどれを選ぶ?

AdGuard DNS:最も手軽、無料

AdGuard DNS はアカウント不要で使える無料の公開サーバーを運営しています。スマホ・パソコン・ルーターのDNSとして設定するだけです(現在のサーバーアドレスは AdGuard のサイトで確認してください)。有料プランでは個人用のダッシュボードが加わり、カスタムのブロックリスト、クエリ統計、デバイスごとのルール、ペアレンタルコントロールが使えます。ほとんどの方は無料のサーバーで十分で、有料プランは細かく調整して監視したい方向けです。

NextDNS:クラウド型で最もカスタマイズしやすい

NextDNS は上級者向けのクラウドDNSです。無料の月間枠が大きく、その先も低めの定額で、ブロックリスト・ログ・分析を細かく制御できます。AdGuard DNS のような手軽さに、さらに多くのつまみが欲しい方に向いています。

Pi-hole:無料・自前運用・完全な制御

Pi-hole は無料のオープンソースですが、自分のネットワーク上のデバイスで自分で動かします(定番は Raspberry Pi です)。家じゅうのすべてのデバイスに対してブロックでき、すべてを自分で握れます。小さなサーバーの面倒を見るのが苦にならない、いじり好きの方に最適です。

ひとつだけ、安全上の注意

DNS提供者は、デバイスが問い合わせるすべてのドメインを見られます。だからこそ、その提供者が信頼できるかどうかが重要です。プライバシーポリシーが明確で評判のよい名前(AdGuard DNS、NextDNS、Quad9)を選び、ポリシーも資金源も示されていない素性の知れない「無料の広告ブロックDNS」サーバーは避けてください。閲覧履歴を見知らぬ運営者に渡してまで得る手軽さではありません。

よくある質問

DNSによる広告ブロック、Q&A

AdGuard DNS とは、ひと言でいうと何ですか?

広告やトラッカーのドメインの名前解決を拒否する、公開のDNSサービスです。スマホ・パソコン・ルーターの参照先をこのDNSに向けるだけで、広告やトラッカーへの通信は読み込まれる前に解決に失敗します。しかもブラウザだけでなく、アプリも含めたデバイス全体に効きます。AdGuard はアカウント不要で使える無料の公開サーバーを運営しており、カスタムルールや統計が使える有料プランも別にあります。

AdGuard DNS は無料ですか?

はい。AdGuard の標準の公開DNSサーバーは無料で、登録も不要です。DNSとして設定するだけで使えます。有料の AdGuard DNS プランでは、個別の設定(カスタムのブロックリスト、クエリ統計、デバイスごとのルール、ペアレンタルコントロール)が追加されます。ほとんどの方は無料のサーバーで十分まかなえます。

DNSブロックですべての広告(YouTube など)が止まりますか?

いいえ、ここが肝心な限界です。DNSブロックはドメイン単位で働くため、コンテンツと同じドメインから配信される広告は見分けられません(YouTube がその典型例です)。また、ページ内の見た目の整理(コスメティックな処理)もできないため、空の枠が残ることがあります。これは広く軽く効く土台の層であって、ブラウザ向けブロッカーやデバイス全体で効くアプリの代わりにはなりません。どちらかと組み合わせて使ってください。

AdGuard DNS と NextDNS と Pi-hole の違いは?

3つともDNSレベルで広告をブロックします。AdGuard DNS は最も手軽な入口です(無料の公開サーバー、設定用アカウント不要)。NextDNS はクラウド型で最もカスタマイズしやすく、無料枠が大きく、その先も安価です。Pi-hole は無料で強力ですが、Raspberry Pi のような自分のデバイス上で自前で動かす必要があります。家庭内ネットワークを隅々まで自分で管理したい、いじるのが好きな方に向いています。